「ESSENCE　～美と芸術について」

内容紹介

この本は美について書いた本です。

美を求める心は人間のあらゆる欲求のうちでも根本的な欲求のひとつであり、善いとされている欲求のひとつです。

確かにそれは、人間のあらゆる欲求の中でも最も善い欲求のひとつではあるのですが、

美を求める欲求にはあらゆる存在を自分の信じる物差しによって差別し、峻別するという一面もまたあり、

物事を差別し、峻別する心はときに自分の、そして他の人たちの心に傷や苦しみをつくるものでもあるでしょう。

この本ではひとつの簡単な試論として

美を調和や整合性と定義することからはじめて、

美が調和や整合性であるからこそ、

美とはすべてを包んで何物も捨てることのない愛であるという考えに到りました。

小さな本ですが、この本によって美や芸術の分野だけでなく、

あらゆる分野の活動において人間同士の差別心や分裂が減ることを願っています。